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バイオレンスガールズ~死闘~

463 :バイオレンスガールズ④ :2008/11/21(金) 19:09:51 ID:3xxLB+MZ
二人の村娘の笑い声がリビングに響く。
「燃えちゃいなさい」
「灰にしてあげます」
二人が生み出した炎は渦状になって朝星達を襲う。
「お兄様!」
「うん!」
ファラは調合器具を袋から取り出すと、瞬く間に薬を作り上げる。
「やあっ」
精製された薬が入ったフラスコを炎の方に投げ入れる。
「薬術、冷凍薬!」
フラスコが炎に溶け込むと同時に凍り付く。
「!」
「な、なんてこと!」
朝星と死神が渦状の氷の中を走り抜ける。
「いただきッ!」
「さよなら」
ドグッ
「うぐっ」
ミシェルの身体に大きな風穴があく。
「ミ、ミシェ…ル」
マリーの腹部には死神の鎌が深く食い込んでいる。
「ぅぁ…」
死神は『ある異変』に気付いた。
「……!?出血が…ない」
身体機能を維持できなくなる程の重傷を負った二人の身体はボロボロと崩れていく。
「ああ、マリー」
「ミシェル…」
二人は艶やかに指を絡ませながら崩れ落ちた。
「死神ちゃんこれは…」
「おそらく…私たちと同じアンデット…」

パシィッ!
鞭特有の乾いた打音が響く。
シェラがシスターを追い詰める。
「くぅ…」
シスター姿の少女は刃を振り回し応戦するが攻撃の速さについていけない。
シュルッ
鞭の先端が機敏に動き、シスターの首に絡み付く。
「あ、あぁ…あぁあッ!」
首を絞められ、シスターは苦悶の表情を浮かべる。
「貴女達、何か知ってますわね!」
「ふふっ…行方不明者のコト…?それなら目の前にいるじゃないですか」
「!」
「誰に依頼されたかはわかりませんが無駄ですよ…貴女達もすぐに…」
ガクン
そう言うと同時にシスターの首が身体から千切れる様にして外れる。
「ふふ…誰もこの館からは逃げられない…」
サァッ……
首だけになったシスターはその一言だけを残し、砂となった。

「…これからどうしますの?」
「退路もないし先に進む…」
「ん~それしかなさそうなのだ」
朝星一向はリビングを抜け二階へと進んだ。

階段を上がり前進すると書斎らしき部屋の前に着く。
「どうやらここが最深部みたいですわね」
「なんかあっさりしすぎなのだ~」
「まるでここまで導かれてきたみたい…」
マリアは屋敷の雰囲気に恐怖を感じているようだ。
「…扉の先から人の気配はしない…」
「あれこれ考えても仕方ないのだ~」
バン!!
朝星が勢いよく扉を開く。

「待ってたよ」
「カサンドラさん…」
部屋に侵入すると二十人を超える女兵士を従えてリーダーであるカサンドラが待ち構えていた。
「ふふっ…アンタたちでもこの人数はどうしようもないんじゃないかい?」
「みんな、下がっているのだ」
朝星が一歩前に進む。
「ククッ…一人で何ができるんだい?かかれッ!」
女兵士達が一斉に朝星達に襲い掛かってくる。
ガシャッ
「朝星ちゃんNEWウェポン☆ガトリングガンっ!(銀の弾付き)」
朝星の道具袋から腕に装着するタイプの小型銃が取り出される。
「!?」
「うりゃあ~」
ガガガッガガガガガガッ
「ぁ!」
「くひん」
「きゃあ?」
頭を、腹部を、胸を打ち抜かれ倒れていく女兵士達。
「ぃひっ、そ、そこは!」
局部を撃ち抜かれ悶える兵士の姿もあった。
カチッ、カチッ
「およ、弾切れか」
ガトリングガンの弾丸射出が終わるとそこには死屍累々、女兵士達の骸の山があった。
「ふっ、楽勝なのだ」
「路銀がかなり減ってると思ったら…」
誇らしげにする朝星と呆れた顔の死神。
表情を綻ばせる兄妹とマリア。
戦闘時にはあってはならない油断がほんの一瞬、生まれてしまった。

骸の山がぐらっ、と揺れたかと思うと骸を盾にして銃撃を防いだカサンドラが飛び出してくる。
「死ねぇーっ」
高く飛び上がったカサンドラからシェラをめがけ凶刃が振りかざされる。
「シェラッ!」
「きゃっ!」
ドスッ
「ぁ…………あ…」
ぱたたっ
シェラの顔に鮮血が滴る。「お兄様ぁーーーー!」
カサンドラの凶刃はファラの身体を貫きシェラの胸の前で止まっている。
「だ、大…丈夫かい?」
口から血を流し虚ろな目で妹に優しく問いかける。
「お兄様……」
「泣かないでおくれシェラ…僕の可愛い、いもう…と…」
ファラの身体から生気が抜けていく。
冷たくなっていく身体。
「お兄様…お兄様?……いやぁあーーーーーー!」

「うおおっ!」
ゴシャッ
カサンドラの身体がモーニングスターに吹き飛ばされる。
「ぐえっ…ククッもうアンタたちは逃げられない…館とともに滅びるがいいさ」
捨て台詞を残しカサンドラは消滅する。

『まさか全滅とはね』
書斎の奥から女性の声が響く。
その女性はふわりと宙に浮いたかと思うと右手を天にかざす。
『館とともに滅びなさい。罪深き者達よ』
ゴゴゴゴゴゴゴ…
巨大な地響きとともに館が崩壊していく。
女性は薄笑いを浮かべると霧のように姿を消す。
「逃げるぞ!」
朝星が先頭になり館の脱出をはじめる。
「シェラさん!」
「…………」
しかしシェラは冷たくなった兄を抱いたまま動こうとしない。
死神はマリアの肩を抱き首を振る。
「シェラさん…」
兄妹を残し朝星達は館を脱出した。

崩れゆく館…妹は呟く。
「お兄様、私たちはいつも一緒よ…うふふ」

崩れ去った館を見つめながらマリアは問う。
「これからどうするんですか?」
「私達は旅を続ける…悲しい事もあったけどこれがギルドの仕事をするものの宿命…」
「そうですか…」
ぽん、と朝星がマリアの肩を叩く。
「村まで送るのだ」
「ありがとうございます」
館を後にする三人。
それを見つめる二つの影…
『まさか脱出するとはね』
『館を脱出できるのは罪なき者と死者の眷属のみ…あの者達もあるいは…』

『もうどうでもいいわ。早く次の館を精製しないとね、骨が折れるわ…』
陽炎は館の瓦礫に溶け込むようにして姿を消した。

「結局依頼は失敗扱いか~」
朝星が嘆く。
「物的証拠がないから…それに成功扱いにされても納得できない…」
「あの黒装束の女っ、今度会ったらギタギタにしてやるのだ!それはさておき死神ちゃん!今度の仕事は宝探しがいいのだ~」
「はいはい…」
死神は青く澄んだ空を見上げる。


―マスター、私達は今あての無い旅を続けています
貴方の願い通り戦いから離れる事は出来なかったけど
きっとどこかで見守っていてくれると信じています―
二人の旅は、続く―――

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