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黒冥館~序章~

町外れの漆黒の森。
その森の奥深くにその館は存在していた。
館の名は『黒冥館』
…罪深き者が死を誘う断罪の館…

「はぁ…はぁ」
雨の降る闇夜の森の中を四人の女盗賊が駆ける。
「おい、あれをみろ!」
「館だ!よしあそこで身を隠すぞ」
バタン
巨大な銅製の扉を最後尾の女が閉める。
「ハァ…」
彼女は扉に寄り掛かり手にした金袋を見つめる。
(このお金があれば弟は…)
「マリア」
「はい」
「初仕事にしては上出来だ。これからヨロシクな」
「は、はい…」
彼女は悩んでいた。
いくら理由があろうとも犯罪に手を染めてよいものか…と。
「これ良いねぇ」
「金になるよ」
盗賊仲間のユカとサラがリビングにある騎士像に目を付ける。
「立派な槍だね。せめてこれだけでも…」
ユカが像に手を触れた次の瞬間。
カチッ
妙な音がしたかと思うと騎士の持っていた槍がユカを一突きに貫いた。
「ぎゃあーっ」
「ああ~っユカ!今助けるからね」
サラはユカの身体を槍から引き抜こうと力を込める。カチッ
ボシュッ
「はげぇっ」
騎士像の手から槍が射出される。
槍は二人を貫通し壁に突き刺さる。
ユカとサラは無残な最期を遂げた。
「ちくしょう!」
そう叫びながら盗賊のリーダーは扉へと向かう。
しかし扉は固く閉ざされ開くことはない。
「くそっ!」
ドカッ
扉に蹴りを放つ。
カチッ
マリアの目に恐ろしい光景が映し出された。
リーダーの身体を無数の矢が襲ったのだ。
頭を、胸を、局部を無数の矢が突き刺す。
「ぁ…ぁ」
声にならない声をあげその場に倒れる。
「きゃあぁーーー!」
マリアの絶叫とともに扉が重い音を立てて開いた。
マリアはフラフラとした足取りで館を後にした。
夜はもう明けていた。

人の気配が無くなった館に二つの人影が姿を現す。
『陽炎様』
陽炎と呼ばれたのは黒装束と長い黒髪が美しい女性であった。
『何?セバスチャン』
セバスチャンと呼ばれたのは執事服を纏った初老の男性。
『あれでよかったのですか?』
『ええ…まだ彼女には罪が足りないわ。でもまたこの館に踏み込むことがあればその時は…』
陽炎は薄く笑みを浮かべると屋敷の奥へと消えていった。
『ああ、セバスチャン。いつも通り後始末お願いね』
『畏まりました』

町外れの黒き闇の森。
その森の奥深くにその館は存在していた。
館の名は『黒冥館』
…罪深き者が死を誘う断罪の館…

バタン
銅製の扉が重い音を立てて閉まる。
二人の村娘が館へと逃げ込んできた。
ミシェルとマリー、ミシェルこそ整った身なりだったがマリーの身体は鮮血に染まっていた。
「ああ、とうとうやってしまった…夫をこの手で殺めてしまった…」
うずくまるマリー。
ミシェルが優しく声をかける。
「仕方なかったのよマリー。私たちの関係がばれたら磔にされて火炙りよ」
「そうね…」
二人は女性でありながら愛し合っていた。
しかしそれは村では禁断の愛であった。
「ありがとうミシェル。少し元気が出たわ」
「そうよかった」
(フフフ…これでマリーは私のモノ…)
「あ、ミシェル寒いでしょうあそこに暖炉があるから火を点けてくるわ」
そういってマリーは暖炉に向かう。
暖炉の前に座り込み備え付けてあった火種を使い火を点けた。
カチッ
マリーのいた場所から何かがせりあがってくる。
「きゃあぁん」
それは木製の三角木馬であった。
「マリー!」
「あぁ…見ないでミシェル!」
木馬は小刻みに動きマリーの股間を責める。
ガク、ガク、ガクン
「あん、あん あはぁん」「マリー!」
「あぅ、痛ぁ、ひぃ」
目の前で悶えるマリーを助けようとミシェルは暖炉に駆け寄る。
カチッ
ミシェルが木馬に触れた時、暖炉の炎が激しく燃えあがり二人を瞬く間に包み込んだ。
「ああ~熱ぃ!マリー!」
「はぁぁんミシェルぅ!」
二人は抱き合いながら炎の中に消えてゆく。
燃え上がりゆく二人はどこか幸せそうであった。
(ああ…ミシェル…愛しているわ)
(マリー、いつまでも、一緒…よ)

二人の居た場所にこびりついたススを払い除けながら陽炎が呟く。
『歪んだ愛とは恐ろしいわ。ねぇセバスチャン』
傍らに付き従う彼は静かに頷いた。

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