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アーミー&デス

「目標確認。任務復唱…悪徳商人ミザリーの暗殺及び障害となるものの排除」
「任務了解…作戦を開始する」
ギルド所属の二人の傭兵が闇夜を駆ける。
一人は傭兵ギルドで頭角を表し始めたルーキー。
もう一人は傭兵ギルドのベテラン、ジークハルト。

ジークハルトは屋敷に続く畔道を走りながら舌打ちをする。
(なんだあの小娘は…傭兵を舐めてやがるのか?)



~~作戦開始1時間前~~
「ふざけるなぁッ!!」
傭兵ギルド詰所にジークハルトの怒声が響く。
どうやら今夜の仕事のパートナーに不満がある様だ。
「こんな小娘と仕事ができるかッ!」
ジークハルトの指差す先には黒髪の少女。
「………何も問題ない」
「…ッ、大体何だそのヒラヒラした格好は!舐めてんのか!」
「問題ないと言っている…」
そう言いながら少女は愛用の大鎌を手入れしている。
「しかも何だその獲物は!そんなんで暗殺任務ができるのか?」
「…嫌なら降りればいい。私は風邪をこじらせたバカな相方の為にお金を稼がなければいけない」
「…ケッ!野垂れ死んでも俺は知らんぞ!」
「……………」

「チッ!最近の若い奴は傭兵を舐めてやがるぜ…」
目標の建物が見えてくる。
「門の前には見張りが二人…暗視ゴーグルにマシンガンか」
ジークハルトは迷彩服からナイフを取り出し口にくわえる。
百戦錬磨の傭兵だけあってスムーズな足運びで見張りの背後をとる。
シュッ
風切り音とともに見張りの首筋から鮮血が噴き出す。
「ぁあ?…ひ…ぁぁ…」
見張りは現状を認識出来ぬまま膝から崩れ落ちた。
「あ…ぁ…ぐっ!?」
予想外の事態に引き金を引くことも出来なかったもう一人の見張りの背後に回り首を締めつける。
「あまり、血を付着させるわけにはいかんのでな…」
「あ、苦し…助け…」
「許せ」
ゴキン!
「は…がっ!」
首がへし折れる音が響き、見張りは絶命した。
ジークハルトは跪くと見張りのゴーグルを静かに外す。
「…!まだ若い娘じゃねぇか…」
ゴーグルの下にはまだあどけない少女の顔があった。
館主のミザリーはレズビアンであり雇っている兵士も若い女だけだという噂があった。
それに見張りという下っ端の仕事となれば若い少女というのも納得がいった。
「……仕事とはいえやるせないぜ」
ロープを塀にかけ敷地内に侵入するとジークハルトは館の扉に張りいた。
「気配が無えな…大体あの新人はどこに…」
ギイイッ
「!?」
鈍い音をたて扉が開く。
ジークハルトはナイフを構え鋭いバックステップで後退する。
「!?…お前…」
「遅かったですね」
扉から現われたのはパートナーの少女だった。
黒装束を鮮血で染め、右手には標的であるミザリーの首があった。
「馬鹿な…この短時間で…」
驚愕するジークハルトに少女は口元を少し緩ませると一言だけ呟いた。

「だから言ったでしょう…問題ないと」

ジークハルトはしばらくは大鎌を携えた少女の背中を呆然と見つめることしか出来なかった。

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「お嬢ちゃん達…退きな」

とある任務からの帰路にてジークハルトは囲まれていた。
彼を取り囲むのは先程の戦闘で幹部を全滅させられた組織の戦闘員である。
それぞれ手元に愛用の武器を携えている。

「あのままやられっぱなしでたまるかい!」
ショートカットの女戦闘員が武器を包んでいた白い布を剥ぎ捨てる。
「このマシンガンで…蜂の巣にしてやる!」
誇らしげに銃身をジークハルトに向ける。
「あ、あなた、それ…」
隣にいたロングヘアーの女戦闘員が冷や汗を垂らす。
「嬢ちゃん、それ…狙撃用ライフルだぜ…」
ジークハルトは呆れた声を出す。
これでは中距離戦では使い物にならない。
「くっ…どうすれば…きゃあん」
ショートカットの女戦闘員があわててジークハルトから目を離した隙に攻撃を仕掛ける。
彼の蹴りはショートカットの女戦闘の手首に直撃し、ライフルを奪い取った。
「次は私よ!」
ロングヘアーの女戦闘はポケットから手榴弾らしきものを取り出し、ジークハルトに向かって投げつけた。
「木っ端微塵になりなさい!」
「いいコントロールだ」
ジークハルトは笑みを浮かべるとライフルを野球のバットの様に構える。
「次に投げるときは爆発までの時間もきっちり考え………なっ!」
「え…っ」
鋭いスイングで手榴弾を打ち返す。
「きゃあああん」
手榴弾は彼女達の遥か後方で炸裂した。
「ふん、銃火器に頼るからそうなるのさ!」
最後の一人が前に出る。
八重歯がチャーミングな小柄な娘だ。
「あたいの獲物はコレだよっ!」
彼女が背中から取り出したのは木製のブーメランだった。
使い込まれているが手入れもきちんとされている。
「ほう…」
「喰らいなっ」
洗練された動きでブーメランを投げる。
ジークハルトは半身で一撃目をかわし、背後から迫りくる二撃目も軽やかなステップでかわす。
「くっ!今度はもっと速いよ!」
言葉通りに高速でブーメランが飛んでくる。
「ふっ!」
一撃目をギリギリでかわすとジークハルトの口元がニヤリとする。
「良い腕だが…まだまだ」
「!?」
ジークハルトは戻ってきたブーメランに向かって蹴りを放ちさらに加速をつけさせた。
「鍛練が足りなかったな!」
「ひぇ…ぐぶっ」
超高速で主人の元へ返ってきたブーメランを避け切れず腹部に直撃を受ける。
「あはぁ…」
もんどりうって倒れる女戦闘。
ジークハルトは怯える二人の女戦闘員に声をかける。
「安全な所に連れてってやんな。今回は見逃してやる」
二人は気絶している女戦闘を抱えて戦闘地域から脱出した。
夜空を見上げながらジークハルトは呟いた。
「ちっ…俺もとんだ甘ちゃんだな…」
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